2011.6.12  ピアノ・春日井康平

 
高校生の時、レッスンの後にチェンバロのU先生が「この演奏カッコエエで~!」って言って新品のCDの封を切って聴かせてくれた。
曲はベートーベンのピアノ協奏曲「皇帝」。先生は演奏者のことは知らず店で視聴して気に入ったから買ったらしい。「噛めば噛むほど味が出るスルメ」と先生が笑いながら一緒に聴いた「皇帝」にえらく感心してしまった(オケも絶好調)。

 僕はそれからこのヴァレリー・アファナシエフというピアニストの虜となる。

 「鬼才」と呼ばれるが故に一般人を遠ざけているが彼は「天才」。
母国語のロシア語の他に英語、仏語、独語、を使いこなしそれぞれの言語で小説を出版。指揮者、作家、詩人、哲学家、演出家と多才なうえ、ワイン通として有名らしい。
 僕は髪型も好き。彼のおかげでフルトベングラーやメンゲルベルクの録音を聴くようになったし最近では能も見はじめた。「ピンクフロイド」と「キングクリムゾン」のプログレロックバンドを聴き直し「源氏物語」も読んでみたい。 


 
 京都が似合っている。

 
 ブラームス晩年の傑作、6つの小品op.118 
3曲目(10:22)の圧倒される迫力。 
6曲目(24:13)のまるで能を見るかのように空気と一体化する出だし、爆発する中間部。最高です。 



 このショパンのノクターンは詩的。 
演奏は強烈に個性的なのに驚くほど楽譜に忠実。 

 でもアファナシエフの生演奏は調子悪い時があるから運が必要です。 
ドイツはわざわざICEに乗って遠くの音楽祭まで聴きに行ったシューベルトの変ロ長調ソナタ。期待を裏切られ・・・極度の睡魔に襲われました。ちなみにこの曲、CDではまさに神がかった録音があります。(ECMのライブ録音の方) 


 最後に、今回の被災に際して寄せられた詩です。 

A hillock about half a kilometre 
From the Pacific Ocean. The survivors 
Come and go, searching for the dead. 
The dead are the Japanese history, 
Mount Fuji and Hokusai. 

An old man said, 'I'd been looking 
Everywhere, but I'couldn't find them.' 

They're everywhere, everyone: 
Prince Genji, Bach, Shakespeare