ここではガイレメナーがこれまでに行ってきた三回のリサイタルの経緯、そしてメンバーだけが知る「裏側」をご覧いただきます。

演奏会のプログラムは各演奏会のタイトルをクリックしてください。
若き演奏家によるリサイタル Four Artists

大学オーケストラ出身だった吉村、小松、友枝の三人はその後、図らずも演奏家の道を目指すことになり、図らずもアメリカ、ドイツと留学生活の道を選ぶことになりました。そんな三人が、
「リサイタルをしたいけど、一人では二時間もできないから、三人でやろう。」
ということになり、リサイタル開催を決意。

その話を小松がミュンヘンで知り合った春日井にしたところ全員の伴奏を快諾してくれたことからいよいよリサイタル開催が現実味を帯びてきました。

そのリサイタルは、それぞれがソロの曲を二曲づつ演奏するというもので現在四人全員で演奏するものとは違い「ソロリサイタル」の色が強いものでした。

ただそれだけでは少しものたりない。そんな想いを友枝の知り合いで作曲家の吉野達也氏に相談に、「10分弱の小品」を作曲していただくことになりました。
そこで誕生したのが≪Harmonica≫です。

本番当日、演奏会場にキャパシティを超える観客の皆さんの来場に開演が10分遅れる事態になりましたが、多くの拍手をいただきました。



ガイレメナーリサイタルVol.2


Four Artisitsとして開催したリサイタルから1年後、団体名を今のガイレメナーと改め演奏会を開催しました。

第一回のリサイタル終了後、
「四人での演奏がなかったのが残念!」、「もっと有名な曲が聴きたい!」
というご意見、ご感想を多く頂戴しました。

そこで、二つの意見を一度に反映させるため、
「四人で有名な曲を演奏しよう!」ということになりました。
そこで作曲家奥貫裕子女史にビゼーの代表作、オペラ≪カルメン≫の編曲をお願いしました。
これにより初めてガイレメナー四人でのオリジナル曲が誕生しました。

その他にも春日井選曲による、バロック音楽の巨星、J.S.バッハの≪トリオソナタ 変ホ長調 BWV525≫を四人での演奏曲としました。二声のソロ声部に通奏低音(鍵盤楽器と低音楽器のよる伴奏)のトリオソナタはガイレメナーに欠かせないレパートリーの一つとなりました。

そして、東京で一度のリサイタルを行った第一回とは違い、第二回からは東京公演に加え吉村の故郷である岡山での公演を開催しました。
その岡山公演の告知は新見市のケーブルテレビで宣伝されただけでなく、山陽新聞でも演奏会の盛況ぶりが報じられました。

このリサイタルを機に
、「室内楽団としてのガイレメナー
という意識が強く芽生え始めたのです。


若き音楽家たちによる演奏会の夕べ

第二回リサイタルから3カ月、私たちガイレメナーはドイツのミュンヘン・メッセシュタット文化センターの同名演奏会に招待され、リサイタルを行いました。
私たちにとってドイツでのリサイタルは夢であり、目標でもありました。
それが実現するという事もありメンバーも身の引き締まる思いでしたが、観客の皆さんの温かい拍手は私たちを励まし、応援してくれました。

ここでのリサイタルが第三回へのステップとなたことは言うまでもありません。



ガイレメナーリサイタルVol.3

第二回リサイタルの良いところを、さらに良く、そして充実させようと、第三回リサイタルでは四人での演奏をさらに増やしました。

トリオソナタは、イタリアバロック時代の人気作曲家、A.コレッリの≪トリオソナタ へ長調≫。

そして第二回に引き続き奥貫女史にはチャイコフスキーの大作、バレエ≪くるみ割り人形≫の編曲を依頼し、演奏会のおおとりを担いました。

また第一回の際に≪Harmonica≫を作曲していただいた吉野氏に四人での演奏のための曲を委嘱、≪Sinfonica≫ für vier Spielerがここに完成。演奏会の大きな軸となりました。

≪くるみ割り≫が組曲、≪Sinfonica≫が文字通り交響曲、あとは何があるか?そう、協奏曲です。
管楽器三人をピアノが伴奏するというのがガイレメナーのスタイルですが、その発想を180°回転させ、管楽器三人がピアノを伴奏する曲を演奏することになりました。
そこで春日井が選んだのは古典時代の作曲家、C.F.アーベルの≪ピアノ協奏曲第三番 変ホ長調≫です。
かの大作曲家、W.A.モーツァルトにも多大な影響を与えたアーベルですが、時代に埋もれた作曲家の一人でした。しかし古典時代の音楽が持つ美しさ、親しみやすさから、ガイレメナーでの演奏は絶賛を浴びました。


ガイレメナーリサイタルVol.4

第三回から約二年、この演奏会も新たな試みをいくつか行いました。

その中でも大きな試みは『自分たちで演奏したい曲を、自分たちで編曲する』ということです。
これまで、メインプログラムに当たる≪カルメン≫や≪くるみ割り人形≫は奥貫裕子女子にお願いしておりましたが、今後増え続けるであろう『全員での演奏』に自らで編曲する決断をしたのです。
そこで私たちが選んだ曲はJ.ブラームスの≪ハンガリー舞曲第五・六番≫です。
これまでのメインプログラム同様『有名な上に誰もが認める名曲』です。

そして第二の試みは『映画音楽』です。
この中から日米を代表するアニメーション映画≪アラジン≫のホール・ニュー・ワールド、≪美女と野獣≫より美女と野獣、さらに≪魔女の宅急便≫から3曲を選曲しました。
こうして、後半のプログラムの大半を、自編曲で演奏することが現実となりました。

第三の試みは『再演』です。
第一回で演奏した吉野達也作曲の≪Harmonica≫を四年ぶりに演奏しました。
これまで吉野氏からは二つの作品を提供していただきましたが、改めて初心を思い出すべく、また、より吉野作品に真摯に向き合うべく、新たな曲をお願いするのではなく、もう一度≪Harmonica≫を演奏しようと決意したのです。

毎回、オープニングとして演奏する春日井選曲のバロック音楽ですが、今回はフランス人作曲家、J.M.ルクレールの≪音楽の慰み≫から三曲演奏しました。

この演奏会では、より全員での演奏を増やすことに努めました。その中にそれぞれの楽器を活かしたソロパートを設けることで、よりガイレメナーの特色が活きることとなったのです。


古き良きものから新たなインスピレーションを得る、まさに温故知新の活動をする我々ガイレメナーの今後に、どうぞご期待ください。